2022年5月20日 金曜ロードショーでショーシャンクの空にが放映されましたね!
地上波では24年ぶりだってさ!
ということで、この記事では
- 「ショーシャンクの空に」は実話?
- 知っていれば二度おいしい予備知識
- 見終わった感想(ネタバレあり)
- ラストシーンに関する考察(ネタバレあり)
の順でお送りしたいと思います。
ネタバレ前にはちゃんとアラート出すよ~
「ショーシャンクの空に」は実話?
この項目にネタバレはありません!
結論から申し上げると、実話ではありません。
原作が存在します。
原作はスティーヴン・キングの中編小説「刑務所のリタ・ヘイワース」だそうです。
映画化されたのだと「スタンド・バイ・ミー」「グリーンマイル」なんかを書いてる人だよ
「ショーシャンクの空に」が実話である、という噂は昔からありました。
「ショーシャンクの空に」はレッド(モーガン・フリーマン)のナレーションで、思い出話のように語られるシーンが多く、時代背景や環境から「実際にありそう」と納得させてしまう力があります。
そういうところが誤解の要因になったのかもしれませんね。
この映画が公開された1994年はインターネットも普及していませんし、情報を得ることが難しかったのも要因のひとつでしょう。
そして私自身も、昨日友人に指摘されるまで実話だと思っていました。
しょぼん
ということで「ショーシャンクの空に」は実話ではありません!
「ショーシャンクの空に」を二度味わう
この項目にネタバレはありません!
「ショーシャンクの空に」を二度味わうというのは、どういうことかと言うと。
これは、すでに映画を観た人が
なるほど、そういうことだったのか~~!
となるような豆知識を得て、映画を思い出しながらもう一度楽しもうということです。
まだ映画を観ていない人でも、事前に知っておけばより楽しめるはずですので、ぜひ読んでみてくださいね。
随所にセリフの引用をしていますが、意訳のため実際に使われたものと異なる可能性があります。
ニュアンスは変わらないよう心がけていますので、生暖かい目でそっと見守ってください。
「ショーシャンクの空に」主人公アンディの身長は?
作中の早い段階で、主人公アンドリュー・ディフレーン(通称アンディ)は高身長であることが語られます。
風に吹き飛ばされそう、というような揶揄もあったので、背は高いものの、線が細い設定なのかもしれません。
他の役者さんと並んでいると、確かに頭ひとつ分抜けているような高身長でした。
演じている俳優、ティム・ロビンスの身長は何cmなのでしょうか。
童顔だったけど、意外と大きいのかな~
wikipediaによると、何と身長195cm!
予想よりだいぶ背高いな!
日本ならそこら中で頭をぶつけるほどの高身長ということがわかりました。
5cmくらい分けてほしい。
「ショーシャンクの空に」ポスターの女性1:リタ・ヘイワース
「ショーシャンクの空に」劇中で、映画を観ていた調達屋レッド(モーガン・フリーマン)にアンディが依頼した女優の名前「リタ・ヘイワース」。
いくら調達屋でも女優はちょっと無理が…
もちろん本人降臨が不可能なのはアンディも承知の上ですので、実際にはポスターの依頼でした。
さて、ここで気になるのが、レッドの視線をくぎ付けにした「リタ・ヘイワース」という女優。
原作小説のタイトル『刑務所のリタ・ヘイワース』にも使われている「リタ・ヘイワース」は実在する女優です。
余談ですが、映画「ショーシャンクの空に」劇中でレッドの視線をくぎ付けにしているのは「ギルダ」(リタ・ヘイワース)(1946年)という映画で、これも実在します。
こういった細かいリアリティが「ショーシャンクの空に」は実話だ、と思い込ませてしまうんでしょうね。
「ショーシャンクの空に」ポスターの女性2:マリリン・モンロー
映画「ショーシャンクの空に」劇中では、リタ・ヘイワースだけでなく複数のポスターが登場します。
世代が違っても、名前くらい知っている!
という人が多いのではないでしょうか。
「ショーシャンクの空に」劇中で使われたポスター2枚目の女優が彼女です。
主に活躍していたのは1950年代で、36歳という若さで亡くなっています。
「ショーシャンクの空に」では重要なシーンがないから印象薄い…
「ショーシャンクの空に」ポスターの女性3:ラクエル・ウェルチ
「ショーシャンクの空に」3枚目のポスターがラクエル・ウェルチです。
もちろんこちらも実在の女優で、ご存命です。
1960年代に活躍した女優で、「ショーシャンクの空に」で使用されたポスターは「恐竜100万年」のもののようです。
原始人の役らしい、めっちゃ気になる笑
さて、「ショーシャンクの空に」では3枚のポスターが登場しました。
1940年代、1950年代、1960年代。
時代を代表するポスターで、アンディの時の流れと、その長さを物語っているのがすごく良いです。
およそ20年、長い、長すぎるよ…
俺はレッド、アイルランド系だから
レッドがなぜレッドと呼ばれているのか、アンディに問いかけられるシーンでこう答えています。
アイルランド系だからさ
レッドのジョークのような雰囲気は感じましたが、いまいち釈然としません。
この疑問を解決する前に、なぜレッドと呼ばれているのか本当の理由を先に紹介します。
これは劇中に一度だけ出てくるレッドの本名に由来しています。
レッドの本名は「エリス・ボイド・レディング」です。だからレッド(レディング)と呼ばれています。
これを念頭に置きつつ、アイルランド系との関連を調べてみたら、面白い推理を見かけました。
要約するとこんな感じです。
- アイルランド系は赤毛が多い(劇中レッドはアフリカ系×)
- アイルランド系は色白で、赤ら顔になりやすいという特徴がある
- アイルランド系は酒好きという特徴がある
- アイルランドでジャガイモ不作、アメリカへ移住(貧しい暮らし)
- アイルランド→大量の安酒→赤ら顔(レッド)という連想
- レッド本人はアフリカ系なので赤ら顔にはならないが、貧乏で酒好きである
- 貧乏で酒好きだから冗談めかして「アイルランド系」と答えた
本当はレディングという名前が由来のはずなのに「俺が酒好きで貧乏だからさ(ハハッ)」というニュアンスで「アイルランド系だから」と答えたのではないかという推理です。
見た目でアイルランド系でないことはすぐにわかるので、アンディも心の中で「なんでやねん」と突っ込んだのではないでしょうか。
色んな人が住んでるアメリカならではのジョークっていう解釈だね
正しいかどうかはともかく、解釈としてきちんと成立するし、この推理おもしろくて気に入りました。
37万ドル、現在の日本円だといくら?
ネタバレ防止のため貨幣価値にだけ焦点を絞ります。
1966年時点での37万ドル(米ドル)を、現在の日本円に換算してみます。
1966年はまだ固定相場制なので「$1=\360」の時代です。
えっと、まずは当時の日本円に換算すると…
37万ドル × 360円 = 1億3320万円
1966年当時の日本円にして1億3320万円ということになります。
ここから現在の価値に換算しますが、方法がわからないので日本銀行のページを参考にしました。
考え方としては「年代別の消費者物価指数」で比較するのが妥当なようです。
西暦 | 消費者物価指数 持家の帰属家賃を除く総合 |
---|---|
1966年 | 25.2 |
2020年 | 100 |
2020年の物価は1966年の約4倍であるということが分かりました。
では、先ほどの金額とこの消費者物価指数から算出した係数で再計算してみましょう。
1億3320万円 × 約4倍 ≒ 5億3280万円
す、すごい金額、でゅふふふ…
一般人には一生かかっても獲得できない金額なのが分かりますね。
固定相場制の影響で割高に換算されている気もしますが、それはそれです。
バクストンってどこ?
「ショーシャンクの空に」劇中で示された、何もない田舎。
長い石垣、北のはずれ、樫の木、黒曜石…
バクストンはアメリカ、オレゴン州にあります。
位置的にはアメリカ西海岸沿いにあり、北上するとワシントン州、その先にカナダがあります。
バクストンは最初に定住を始めた人の名前らしい
フォートハンコックってどこ?
アメリカ、テキサス州にあります。
テキサス州はアメリカの南に位置する、メキシコとの国の境がある州です。
日本の鹿児島県と同じくらいの緯度なので、気温については日本と同じくらいかもしれません。
国の境については現代のように危険なものではなく、とても穏やかな隣人のように往来ができたようです。
いえ~い、ピースピース!
ジワタネホ(シワタネホ)ってどこ?
位置的にはメキシコ中央付近にあり、太平洋に面しているところです。
「ショーシャンクの空に」劇中で、メキシコ人は太平洋を「記憶のない海」と呼んでいる、と語られます。
うぅ、アンディ…
「ショーシャンクの空に」の感想(ネタバレあり)
ここからはネタバレがあります!
ここからはネタバレを含みますので、避けたい方はそっとブラウザバックを推奨します。
では「ショーシャンクの空に」劇中で語られる登場人物のセリフやナレーションから、特に印象に残ったものをあげていきたいと思います。
レンブラント並みだ
これは図書室で、アンディがレッドに、所長の金の説明をした場面ですね。
ランドール・スティーヴンスという架空の人物をつくりあげてしまったことに対する賛辞として「レンブラント並みだ」とレッドが言い放ちました。
レンブラントは1600年代に活躍したオランダの画家の名前です。
偉大な絵描きの名前と並べるなんて、ほめ方がオシャレ~!
レッドはアンディには及ばないものの、文字も読めるし実はインテリなのでは!
レッドの由来を茶化したように、ユーモアもあって実に良いキャラクターですね。
600年かかると思ったことを20年以下でやり遂げた
現物のロックハンマーを見ればわかる、と言っていたアンディが、いざ壁に名前を掘ろうとしたら意外に脆くて穴が掘れてしまったという流れ面白くて好き。
いざ現物のロックハンマーを見たレッドも、さぞ安心したことだろうと思うとさらに面白い。
気の遠くなるような膨大な時間をかけて、アンディはついにやり遂げた。
継続は力なりという言葉、皆さんも耳にタコができるほど聞いてきたと思いますが、実際そうであることが多いんですよね。
20年かけて壁の削りカスを庭に捨てていたシーンも笑いました。
筆舌に尽くしがたい苦難が多くありましたが、それでも無事に努力が実ったシーンの痛快さといったらなかったです。
汚水にまみれた体を、理不尽な不自由さにたとえて、一切のしがらみを洗い流していくかのような嵐のシーンも最高でした。
腹の底から「ザマミロ&スカッとサワヤカ」の笑いが出てしょうがねーぜッ!
そうしないと一滴も出ないんだ
これはレッドが仮釈放され、スーパーで袋詰めの仕事をしていたときのナレーションです。
「40年間許可をもらってトイレに行っていた。そうしないと一滴も出ないんだ」
骨の髄までしみ込んだ塀の中の生活習慣が、外に出ても簡単には抜けないのでしょうね。
塀の中の職員たちによる、命のメーターを振り切るレベルの教育的指導。
それをおそれていることが背景にあると容易に推測できます。
老いたレッドが、とても哀れに見えた…
語られていないだけで、視聴者の知らないつらい出来事もたくさんあったのだろうと想像させる、インパクトのあるセリフでした。
「ショーシャンクの空に」ラストシーンの考察
「ショーシャンクの空に」の結末では、レッドがアンディに会いに行きます。
アンディに会いに行くにあたり、この距離を移動するわけです、が…
出発地 | 到着地 | 距離 | 100km/h ノンストップ 見込み時間 |
---|---|---|---|
バクストン | フォート・ハンコック | 約2757km | 約27.5時間 |
フォート・ハンコック | ジワタネホ | 約2025km | 約20時間 |
北海道庁 | 沖縄県庁 | 約2252km | 約22.5時間 |
ちなみに北海道庁から沖縄県庁までは直線距離で、他は道路の移動距離です。
これはすさまじいディスタンス…!
バスの旅で楽しんでくスタンス…!
すみません、下手くそすぎました。しかも特に意味ないです。
老体にはなかなか厳しい旅路かと思いますが、それはさておき本題に戻りましょう。
フォート・ハンコックまでバスで向かうレッドは、ナレーションで「こんな老いぼれ1人のために封鎖したりしないだろう」と語っていました。
親友に会いに行くバスの旅路に心が躍る、晴れやかな印象を与えるシーンです。
その後、砂浜のシーンにうつりアンディと再会します。
さて、私ここまでで何の疑問も抱かなかったのですが、友人に指摘されました。
「会えたかどうか、明言しないで曖昧に終わらせたんだ~と思った」と。
どういうこと??
友人は、ナレーションが途絶えた時点からレッドの想像の話に切り替わっている可能性があると言うのです。
結末の解釈その1:全部現実
これは「ショーシャンクの空に」劇中で流れたラストはすべて現実であるとする解釈です。
レッドは無事に目的地である ジワタネホに到着し、アンディとの再会を果たすハッピーエンド。
セリフがひとつも無いのは、再会の喜びをどう分かち合ったかは視聴者に委ねているということかなと推測しています。
結末の解釈その2:砂浜のシーンはレッドの想像
これはバスで心を躍らせながら友人に会いに行くレッドの未来予想という解釈です。
バスのシーンからナレーションとセリフが途絶え、国の境を無事に越えたことや、アンディと再会できたという名言をあえてしていない(表現方法が突然切り替わっている)ことからの解釈のようです。
現実が描かれているのはバスの中までなので、その先は視聴者の想像に委ねられることになります。
この先の展開を場合分けしてみる
- 順当に国の境を越え、想像通りの再会を果たす
- 結末の解釈その1とほぼ同じ(ハッピーエンド)
- 順当に国の境を越えるが、再会できない
- アンディに不幸があった場合
- アンディが経済的に失敗している場合
- フォート・ハンコックでレッドが捕まる
- 仮釈放違反
1.は特に違和感もないですね。そうなってくれたら良いなと心から思います。
2.これは可能性として否定しきれないのですが、物語としては中途半端で夢がないのでいまひとつな気がします。
5億円を持った銀行の元副頭取、鬼に金棒やろ
ビジネスについても、経歴、賢さ、強かさを持ち合わせたアンディが失敗するとは考えづらいです。
3.ありえそうなのはレッドが捕まるという展開ですね。
でも安心してください、履いてますよ。
フォート・ハンコックについて前述しましたが、国の境についても少し触れました。
現在は厳格に管理されており、安易な往来はできないようです。
しかしぃ…?
アンディがフォート・ハンコックを選んだのには、ちゃんと理由があったようなのです。
一般的な国の境というのは、基本的に自由な往来はできず、後ろめたい移動の場合はまさに命がけです。
しかし調べてみると、フォート・ハンコックは、少なくとも2006年までは大変寛容で、歩いて往来できたというではないですか。(wikipedia@英語)
事実上、国の境がないようなものだったのです。
アンディはそれを知っていて、この経路を選んだと思うんだよね
このことから、レッドが確実に捕まらなかったとは断言できませんが、ほぼ間違いなく国の境を越えられたのではないか、というのが私の推測です。
結末の解釈
現実、想像いずれにしても、明るい未来に辿り着くことはほぼ確実、という結論に至りました。
個人的な意見としては、あの流れでバッドエンドだけは持ってきてはいけないと思います。
だから、これでいいのだ。
余談ですが、原作小説ではラストシーンが描かれていないようです。
映画もそのほうが良くないか?と思わなくもないですが、セリフが一切ないシーンにしたことで、そこそこ納得のいく結末にまとまっている気もします。
「ショーシャンクの空に」まとめ
- 「ショーシャンクの空に」は実話ではありません
- アンディは高身長
- 歴史や時間の経過を、その時代を象徴するもので表現(ポスター)
- アメリカ大陸、広すぎ
- 登場する場所や街の歴史を深堀りすると、意外な発見がある
- 多分どっちにしてもハッピーエンド
では、またね~!